うつ病の人への接し方とは?大切な人のためにあなたができる事

 

こんにちは。あづみです。

このページをご覧いただきありがとうございます。

 

これまでうつ病の特徴や種類、予防のための考え方についてお話してきました。

 

今回はあなた自身ではなく、あなたの身近な人、大切な人がうつ病だった場合どのように関われば良いのか、その「接し方」についてお話していきます。

 

大切な人が苦しんでいたら「助けになりたい」と思いますよね。

しかし、「どう接すれば良いか分からない」と悩まれているのではないでしょうか?

 

大切な人を支えるためにあなたにできる事をお伝えしていきますね。

 

 

うつ病の人と接するとき一番大事な事

 

うつ病の人と接するとき、一番大事なのは「一歩引くこと」です。

アダルトチルドレンの方は責任感が強く「私が何とかしなくては」と考えがちです。

そのため、相手の苦しみを一緒に背負おうとする傾向があります。

 

アダルトチルドレンについては以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧くださいね。

アダルトチルドレンとは?6つのタイプから見る特徴と生きづらさ

 

そして次第に、相手の世話をする自分に価値を感じるようになります。

うつ病患者である相手に「依存」している状態になるのです。

 

反対に相手は、苦しい時・辛い時にそばにいてくれるあなたに依存します。

 

つまり、お互いがお互いに依存しあう「共依存の関係」になってしまうのです。

 

共依存は無意識のうちに陥ってしまいます。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

共依存の関係から卒業しよう!共依存チェックと回復方法を大公開!

 

共依存になってしまうと、苦しい・辛いと感じながらもその状況から脱することが難しくなります。

大切な人を支えたい一心で頑張るあなたがうつ病になってしまう可能性もあります。

 

うつ病の人と接するときは、常に「自分を守る意識」が必要だという事を覚えておいてください

 

優しいあなたは「一緒に苦しまないなんて薄情じゃないかな・・・」なんて思っているかもしれませんね。

私もカウンセラーを目指すまではそうでした。

 

しかしスクールで共依存について学び、就労支援の仕事を通して様々な事情の人や実際にうつ病を患っている人と関わっていくなかで気が付いたんです。

 

自分が一緒に背負っても、問題は解決しないし、相手の苦しみは軽くならない」と。

 

 

ここで、私の経験談を一つお話したいと思います。

数年前、友達が抑うつ状態になったときのことです。

 

当時はまだ「アダルトチルドレンの私」で彼女と接していました。

 

私が支えなければ、一緒に乗り越えていかなければ・・・。

そんな思いで彼女の話を聞き、できることはないかと一生懸命でした。

 

しかし、いとこは一向に良くなりません。

「私はなんて無力なんだろう・・・。」

毎日こう思っては自分を責めていたことを覚えています。

 

それでも何とかしたいという気持ちでいとこと接し続けるうちに、私自身の生活リズムが乱れ、心身に不調を感じることが多くなりました。

 

そのころ、仕事でよくいろいろな人から身の上相談を受けている先輩が「最後は当事者がどう生きるかを決めるしかない」というのを聞きました。

あぁ!そうか。

アダルトチルドレンの私は、落ち込んでいる親やピリピリする環境で、家族をサポートするにはどうするべきかを考えてきました。

その習慣を、友人にもしてしまっていたことに気づいたのです。

 

 

「自分は無力だ、頑張りが足りない」と自分を責めていましたが、それは私の思い込みでした。

もともと、人を変える力など誰にもないのです。

 

人の思いや感情が変わるのは、自身の心が動いた時です。

そしてその心が動くタイミングは、その人自身のタイミングに任せるしかありません。

 

私はその先輩から「支える側に必要な視点・心構え」や「自分を守ることの重要性」について少しずつ教わりました。

 

余計な力が入っていた私はようやく力が抜け「カウンセリングマインド」で彼女と接することを意識しました。

「一歩引いた立場」で彼女を見守りながら話を聞き、時には一緒に行動したり、行動を促したりしたのです。

 

すると、彼女から前向きな発言が出る回数が増え、治療にも意欲的になり、最終的にはうつ病を克服し仕事復帰できるようになりました。

 

彼女は、うつ病と向き合い、自分の力で克服したのです

 

どれだけ相手のために尽くしても、根本的な問題が解決できなければ苦しみは消えません。

そして、「うつ病」という根本的な問題を解決できるのは、「うつ病を患っているその人」だけです。

 

一緒に背負うことで苦しみが増えて、どんどん「負」のスパイラルに巻き込まれてしまいます。

それに、あなたが相手のために頑張るほど相手は「あなたを巻き込んでしまった」と考え、苦しみが増すことも考えられます。

 

あなたがすべきことは「うつ病と向き合うその人をサポートすること」です。

どんな時も支える、味方でいると伝えることがとても大切だと私は考えています。

そして、そのためには「一歩引いて」相手と接する必要があります。

 

「でも私はカウンセリングの知識もないし、どうしたらいいか分からない・・・」

あなたはこう考えているかもしれませんね。

 

でも大丈夫。

カウンセリングの知識がなくてもできる事をこれからお伝えしていきますね。

 

 

うつ病の人への具体的な接し方

 

具体的にうつ病の人と接するにはどうしたら良いのでしょうか。

ここでは、辛い症状が最も強く出る「急性期」の時期にいる人への接し方についてお話します。

 

急性期とは
病気の初期段階、症状が急激に現れる時期のこと。

 

意識すべきポイントは4つ。

 

  • 励まさず「認める」
  • 構いすぎず「ペースを守る」
  • 「聞き役」になる
  • 辛い時は「離れる」

 

具体的に説明していきますね。

 

励まさず「認める」

 

うつ症状には波があります。

気分が沈み落ち込んでいるときもあれば、少し前向きになるときもあります。

 

それは、日によって、時間によって変化するため、「ついさっきまでふさぎ込んでいたけど、今は少し気分が良いみたい」なんてこともありますし、逆の場合もあります。

変化の波があるからこそ、相手の状態には注意が必要です。

 

特に相手が落ち込んでいる、無気力・悲観的な状態になっている時期は相手を励まさないようにしましょう。

気分転換を促す言葉も控えた方が良いですよ。

 

相手の為を思い、元気になってほしいからこそ励ましたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、前向きな言葉をかければかけるほど、相手は「こんな事もできないなんて・・・」と考えてしまいます

 

元気になってほしくてかけた言葉で相手を余計に苦しめてしまうなんて辛いですよね。

 

相手は今、すべての物事を悲観的に捉えている状態です。

まずは、相手の様子を見守ってください。

 

調子が良い時は、自発的に前向きな行動が出ます。

その時は、相手にとって過負荷にならないよう誘導しながら、その行動を支援してあげてくださいね。

 

そして、できたことを認めてあげましょう。

「できたこと」に目を向けられるように接していくことで、相手は少しずつ前向きな考えが持てるようになっていきますよ。

 

まずは、励ましたい気持ちをぐっと堪え、相手の様子を見てあげてくださいね。

 

構いすぎず「ペースを守る」

 

相手の為を思ってあれこれお世話したくなるかもしれません。

しかしあなたが相手の為に何かしようとするほど、相手はそれを負担に感じる可能性も高いです

 

また、相手のために自分の時間を使ってあれこれしてしまうと、あなたの生活が崩れる心配もあります。

 

相手に構いすぎるのはお互いにとって良くありません。

相手には相手の、あなたにはあなたのペースがありますからね。

 

相手が自発的に前向きな行動をとるまでそっとしてあげるのも大切です。

構いたい気持ちを抑え、あなたのペースを守りながら、相手の事を見守ってあげてください。

 

「聞き役」になる

 

相手はあなたに色々な事を言ってくると思います。

中にはあなたを傷つけるような言葉もあるかもしれません。

意見を求めてきたり、無理難題を言ってくる場合もあります。

 

そういう時は「聞き役」に徹してください。

言い返したり、アドバイスしようとしてはいけません

相手の負の感情を助長させる危険があります。

 

もちろん、無理難題に応える必要もありませんからね。

 

意見を求められた場合は、「相手を支えたい」という思いを込めてあなたの考えを伝えましょう。

実際に私がどういう伝え方をしているかご紹介しますね。

 

私はかつて障がい者のグループホームの世話人をしていたことがあります。

ほとんどの方は職が見つからない、決まらない状況だと「自分は社会から必要とされていない・・・」と落ち込んでしまわれます。

 

「あなたも、私をダメな奴だと思ってるんでしょ!」

そう言われることも多いんですよ・・・。

 

そういう方へは、はっきりと「そんな事思っていませんよ」と言います。

そして、「働こうという意欲を持っていることが素晴らしいと思っている」と伝えるようにしています。

 

だって、事情がある中でも「働きたい」という意欲をもって実際に行動しているんですからね。

その人の意欲を認めた上で、「職に就きたいあなたの為に私がいる」と伝え、その人ならではの「強み」を見つけるお手伝いをするようにしています。

 

また、「今すぐ自分の希望に合った所に就職させろ」など無理難題を言われる場合もありますが、きっぱりと「それはできません」と伝えた上で、その人の話を聞くようにしています。

 

自分の思いをはっきり伝える事、そして相手の話に熱心に耳を傾け、相手の意見を尊重しつつ話をしていくことが「あなたを支えたい」という思いを一番込められると私は考えています

 

私が話を聞くよ」「私はあなたの味方だよ」と直接言葉で伝えるのも良いと思います。

 

しかし、「話を聞いてほしい」と言われたとき、すぐに対応できない場合もありますよね。

そういう場合はいつなら対応できるかを伝えることがおすすめですよ。

 

「仕事が終わってから」といったあいまいな表現ではなく「20時からなら話せるよ」という風に、時間をはっきりさせておくと「この時間になったら話ができる」と相手に安心感を与えることができます。

 

そして、話を聞くときは「相手の発言内容」には注意してください。

特に相手が「仕事を辞めたい」、「別れたい」、「離婚したい」など「人生に関わる決断」をしようとしてあなたに意見を求めているときは注意が必要です

 

相手は「自分がこんな状態では(会社またはパートナーに)迷惑をかけてしまう・・・」と考えていると思います。

 

うつ病になると、思考力・判断力が低下します

冷静に物事が考えられず正しい判断ができない状態なので、自分で自分を傷つけてしまう可能性も高くなります。

 

こういった言動が聞かれた場合は、

  • 冷静に判断ができるようになるまで決断を先延ばしにできるように関わる
  • 刃物や鋭利なもの、ひも状のものといった危険なものは遠ざけるなど、環境を整える
  • 周囲にも状況を説明しておく

などの対策が大切です。

 

相手の話を聞き、変化を見逃さないようにしてあげてくださいね。

 

時には「距離を取る」

 

相手のためを思って接しているのに、否定的な言葉や傷つく言葉をかけられると悲しいし、辛くなりますよね。

「一歩引く」ことを意識していても、相手の「負」の感情に触れ続けるのはとても苦しいです。

 

あなた自身が「辛い」と感じるときは少し距離を取ってみましょう

 

辛いまま接し続けると、あなた自身も「負」の感情に巻き込まれてしまいます。

相手から離れてリフレッシュし、気持ちをリセットしましょう。

 

「相手が苦しんでいるのにリフレッシュなんて・・・」と考えてしまうかもしれませんが、あなた自身の心身を守るために非常に重要な事です。

ほんの少しでも、相手から離れる時間、1人になれる時間を作るようにしてくださいね。

 

回復期の接し方

 

うつ病の治療を受けていると、苦しさ・辛さが和らぎ、精神が安定してきます。

この時期を回復期と呼び、社会復帰に向けてリハビリを始めていきます。

(治療やリハビリについては今後の記事で詳しくお話していく予定ですので暫しお待ちくださいね。)

 

回復期に入ると、相手から前向きな言動や行動がみられるようになってきます。

同時に、「早く良くならなければ」という焦りが出てきます。

 

体調が良いので「これぐらい大丈夫だろう」と考え、いきなり発症前の生活に戻そうとしたり、急に身体を動かそうとしたりしてしまいがちです。

 

しかし、調子が良くなったとはいえ、まだ心身は負担を感じやすい状態。

「これぐらい大丈夫」という考えは要注意です。

 

そのため、少しずつできることや行動範囲を広げていくことが重要となります。

まずは相手の意欲を認め、無理がない程度に行動できるよう促してあげましょう

 

うつ病治療には「太陽の光」を浴びることが有効です。

カーテンを開ける、少しだけ外に出てみる、短時間散歩してみるなど、少しずつ外に出られるよう支援してあげてください。

 

同時に、日常生活でも少しずつ「できる事」を増やしていきましょう。

具体的には「脱いだ服をたたむ、または洗濯機に入れる」「食事の前にテーブルを拭く」「食後、自分の皿をシンクに持っていく」など、本当に簡単な事からで良いです。

そして少しずつ段階を上げていってください。

 

この時期はできる範囲で相手と一緒に行動することをおすすめします。

相手の変化に気付けたり、無理しすぎるのを防いだりできますからね。

相手の明るい表情が見られるとあなたも嬉しくなり、あなたにとっても良い気分転換になりますよ。

 

ただし、回復期に入っても「調子が良い時と悪い時」があること知っておいてください。

 

「さっきまではあんなに元気だったのに、また落ち込んでいる・・・」なんてこともよくあります。

うつ病は良い時、悪い時を繰り返しながら少しずつ回復していきます。

 

調子が悪い時があっても大丈夫。

相手のペースを守りつつ前向きな気持ちを認め、支援していけば良いです。

 

そうすることで、相手は着実に回復し、調子が良い状態が長くなっていきますからね。

気長に、穏やかな気持ちを持つことを意識して接していきましょう。

 

 

相手も自分も守りながら1歩ずつ進んでいこう!

 

今までの話を簡単にまとめますね。

 

うつ病の人への接し方 まとめ
  • アダルトチルドレンは共依存になりやすい。苦しみを一緒に背負うのではなく、苦しんでいる相手を支える意識を持つ、支えるために自分を守ることも必要
  • 励まさず「認める」ことで相手が「できている自分」に目を向けられるように促していく
  • お互いのペースを守ることでお互いの負担を減らす
  • 聞き役になる。特に、相手の発言内容には注意が必要。思考力や判断力が低下しているので「決断」させない
  • 自分を守るために時には「少し距離を取る」ことも必要
  • うつ病は良い時と悪い時を繰り返しながら回復していく。焦らず気長に考える

 

うつ病は厄介な病気ではありますが、しっかり向き合い治療すれば回復する病気でもあります。

お互いを守る意識を持って少しずつ進んでいきましょう。

 

次回からは治療について2回にわたってお話していこうと思います。

うつ病治療となると「病院」「薬」「治療内容」にネガティブなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

 

治療について知ることは非常に重要です。

治療に「医療の力」は必須だと考えています。

イメージに惑わされず、しっかり知っていただけるようにお伝えできたらと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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