こんにちは。あづみです。
いつも読んでいただきありがとうございます。
アダルトチルドレンのカテゴリーでは、ここまでアダルトチルドレンの知識や親との関係性についてお話してきました。
今回の10記事目ではアダルトチルドレンを回復するためのプロセスについてお伝えします。
症状が重いほどアダルトチルドレンを回復するのに時間と労力がかかります。
しかし考え方や取り組み方を工夫することで、回復に向けて進んでいくことができます。
焦らず自分と向き合いながら、アダルトチルドレンを一緒に回復していく方法をお伝えしますね。
アダルトチルドレンを回復した状態とは？
「アダルトチルドレンを回復した状態」というと、今抱えている問題がきれいさっぱりなくなることをイメージする方もいるかもしれません。
しかし残念ながら生きづらさを作ってきた問題が全てなくなるわけでも、新しい自分になれるというわけでもありません。
ではどういう状態を意味すると思いますか？
アダルトチルドレンを回復した状態とは、トラウマを持つインナーチャイルドのお世話を自分でできるようになること。
つまり、自分の過去や生きづらさに折り合いをつけられるようになり、自分にOKを出せる状態です。
新しい自分になれるわけではありませんが、失っていたありのままの自分を取り戻すことでアダルトチルドレンが回復していきます。
そして連鎖しやすい親から受け継いだ問題を断ち切ることも、アダルトチルドレンを回復する目的です。
それを踏まえたうえで、あなた自身がアダルトチルドレンを回復した状態というと、どのようなイメージを抱きますか？
- 親との縁を切った状態
- 親と和解してお互いの理解が深まった状態
- 今抱えている生きづらさから抜け出した状態
このようにさまざまですよね。
今イメージした状態があなたが望んでいる未来の姿でもあるので、ここでしっかりと回復した状態をイメージしてみてくださいね。
アダルトチルドレンから回復するための4つのプロセス
アダルトチルドレンの回復は一気にできるものではありません。
回復に向けて焦らず、まずは傷ついた心を癒すことが大切です。
いきなり全力疾走せずにマラソンのような感覚で少しずつ取り組んでいきましょう。
それではアダルトチルドレン回復のための4つのプロセスについてご説明します。
安心で安全な場を確保する
アダルトチルドレンから回復するには、アダルトチルドレンであることをはっきりと自覚することが何よりも大切です。
今の生きづらさや症状がどのような体験からきているのかを把握することで、改善に向かって進めます。
そのためには自分の心が安心する、安全な場を確保しましょう。
人は安心できる場（環境）でないと本当の感情に向きあい表現することができません。
緊張する場や怖いシーンでは無理して強がっていても、信頼できる人と会った瞬間に安心して涙があふれる。
このようなこともありますよね。
人は安心できる場で初めて本心を表現することができるのです。
まずは、自分の本心と向き合うために安心・安全な場の確保をしましょう。
１つの方法としてカウンセリングを受けたり、同じような悩みを持つ自助グループに参加したりするのがおすすめです。
一度参加してみて「安心できる場ではないな」と思ったら無理に参加を続ける必要はありませんよ。
あなたが心から安心できる、話しやすいと思える場を諦めずに探してみてくださいね。
まだそのような場に踏み込むのが怖いと思う方は、こちらの記事で紹介しているマニュアルを使って自分と向き合うのをおすすめします。
あなたらしく、あたらしく!生きづらさを改善し”あなた”を生きる方法
自分を苦しめている信念を見直す
ここでいう信念とは、あなたを苦しめる考え方や価値観のことです。
機能不全家族を生き抜いてきたアダルトチルドレンは、自由に「感じる」ことや「表現する」ことを犠牲にして生きてきました。
それらを犠牲にしてきたことで自分の感覚や思考を持たない他人軸になり、自分の本心がわからなくなっています。
他人軸で生きることで、相手の態度や反応を第一に「こうするべき」「こうしてはいけない」を決めて動き、あなたを苦しめる信念が作られていきます。
この信念を見直して考え方のクセやルールを変えていくことで、アダルトチルドレンから回復していきますよ。
信念を見直すにはインナーチャイルドと向き合うことや認知行動療法に取り組むことがおすすめです。
それぞれについては別の記事で詳しく説明しているのでぜひご覧ください。
うつ病治療「認知行動療法」はアダルトチルドレンの治療にもなる!
嘆きの作業をする
嘆きの作業とは、喪失したものを嘆く作業のことです。
この嘆きの作業を「安心・安全な場」で行いましょう。
嘆きの作業には2つのステップがあります。
①自分のトラウマに気づく
本来、子どもは親との関わりに安心できる環境で、ありのままの自分でいながら育っていきます。
しかし機能不全家族の中で育つことで以下のような状態になります。
- 家を安心できる場だと思えなくなる
- 親にとってのいい子でいる
- 親の代わりに大人な振る舞いをする
- 虐待を受けて怖い思いをする
このような状況だと本来の子どもらしく過ごせず、望んでいた子ども時代を喪失してしまいます。
本来過ごしたかった幸せに満ちた子ども時代は決して取り戻せないので、それがトラウマ（精神的ショック）となり生きづらさに繋がってしまうのです。
そのようなトラウマがうまれたとき、アダルトチルドレンは苦しみや失敗を親のせいにする自分を弱く感じてしまいます。
それは幼少期の経験により、責任感が強くなったり「いい子」でいるのが当たり前になっていたりするからです。
私も教育熱心で不自由なく育ててくれた親への感謝の気持ちが強く、生きづらさの原因が親から来ていると認めるのにずいぶん時間がかかりました。
しかし判断基準や価値観が親の影響を大きく受けているのは事実です。
トラウマが生まれたことに対して、あなた自身が責任を感じる必要はありません。
間違った評価や自己認識をしていると認めることでトラウマに気づきやすくなりますよ。
いい子症候群を抜け出す方法はこちらをご覧ください。
隠れアダルトチルドレンに潜む罠!いい子症候群から抜け出すには?
トラウマに気づいていくにつれ、思っていたよりも良くない環境で育ったと自覚していくようになります。
この気づきは悲しくて辛いものですよね。
しかしこの悲しみにしっかり向き合い、たくさん嘆いて悲しみに浸ることが大切になります。
そうすることで次に述べる「トラウマの浄化」がうまくできますからね。
②トラウマを浄化する
嘆きの作業を通して失ったものを嘆くと、その後は損失の意味を考えようとしたり現実を受け入れて人生をやり直そうとしたりするようになります。
ここでいう現実とは「自分が欲しかった子ども時代はもう取り戻せない」という現実です。
そして、これからの人生を心身ともに安定させる方法を考え始めます。
今まで過去にとらわれていた自分が前を向いていく段階に入るのです。
その段階に入るためには、存分に嘆くことが大切です。
存分に嘆き悲しむことでトラウマが浄化され、トラウマにより失ったものへの気持ちが完結して執着を手放せますよ。
新しい人生を作っていく
新しい人生を作るために大切になるのは大きく分けて2つです。
- 新しいスキルを身につける
- 人間関係を再構築する
それぞれについて説明していきますね。
①新しいスキルを学ぶ
人は育ってきた環境が自分の軸になります。
機能不全家族で育ったアダルトチルドレンにとって、その軸は残念ながら歪んでいます。
だからこそ、今の生きにくさを作っている考え方やコミュニケーションのやり方を変えていく必要があるのです。
そこで、健全なコミュニケーションや考え方に関する新しいスキルを身につけていきましょう。
- アダルトチルドレンに関する本を読む
- 自助グループで他の人の体験談を聞く
- 人に不快感を与えないコミュニケーションを学ぶ
私のブログでも、人付き合いの方法やアダルトチルドレンの知識などさまざまなことをお伝えしているので、知識のインプットとして利用してくださいね。
②人間関係の再構築
「類は友を呼ぶ」という言葉があるように、アダルトチルドレンどうしが仲良くなることは多いです。
これは自尊心が低く自分を粗末にしてしまうことで、そのような相手を引き寄せてしまうからです。
虐待を受けた人の彼氏が暴力をふるう人といったパターンもよくあります。
自分と向き合い回復に向けて進んでいくと、自尊心が上がりそれまでの人付き合いが歪んだものだと気づくようになります。
居心地の悪さを感じる相手とは距離をとることが回復のプロセスには大切です。
今までの人間関係全体を確認して、あなたにとって居心地の良い人だけと付き合うようにしましょう。
このとき大切にしてほしいのは「あなた自身がどう感じているのか」です。
今まで自分よりも相手を優先して付き合うことも多かったですよね。
本当は嫌だと思っているのにその気持ちにフタをして、本心に気づくことすらなかったかもしれません。
回復のプロセスに取り組んでいる今は、優先順位を「あなた自身」にしてください。
あなたがどう感じているか。あなたがどうしたいか。
ここを大切にしていきましょう。
最初は難しくても少しずつ取り組んでいくとできるようになるので安心してくださいね。
かく言う私も、つい人の目を気にして相手を優先して判断しそうになることもあります。
そういうときは「私はどう思ってる？」と私自身に聞くようにしています。
そして少しでも心がざわついたら、連絡を返すのをしばらくやめたり口実を作って誘いを断ったりしています。
最初は自分をわがままだと感じていましたが、自分を優先するのは普通のことだと学んでからは認知のゆがみとして思考を修正するようになりました。
認知のゆがみについてはこちらの記事で詳しくお伝えしていますよ。
あなたの心が無理してしまう人とは一緒にいなくていいんですよ。
自己肯定感を上げてくれる人やあなた自身が一緒にいて楽しいと思う人との付き合いを大切にしてくださいね。
アダルトチルドレン回復のゴールは○○○！
ここまで、アダルトチルドレンを回復する方法についてお伝えしてきました。
- 安心安全な場を確保する
- 自分を苦しめている信念を見直す
- 嘆きの作業をする
- 新しい人生を作っていく
このままずっと今の辛い日々が続き、今の状況から抜け出せないのではないかと思っている方もいると思います。
生きている理由がわからなかったり、幸せや喜びは自分とは無縁だと感じてしまったりするかもしれません。
私もかつては未来が怖くて孤独感にさいなまれていました。
理由もなく涙があふれて過呼吸になることもありました。
その度に将来の役に立ちそうなスキルを身につけ、不安になる自分のお尻をたたいて無理やりにでも前に進もうとしていました。
でもそれだとその場しのぎの安心感が得られるだけで、根本の苦しさは何も解決しないんですよね。
結局、孤独感や不安が繰り返されるだけでした。
私自身、まだアダルトチルドレンを完全に回復したとは言い切れないのが正直なところです。
しかしカウンセリングや身につけた新しいスキルを通して、今ではだいぶ、どんな自分にもOKを出せるようになり「そういう一面もあったんだね」と新たな発見を楽しめるようになっています。
アダルトチルドレン回復のゴールは、ありのままの自分を許せるようになること。
過去は変えられませんが、未来と自分は変えられます。
経験したことをどう活かすかも自分次第です。
アダルトチルドレンを回復したらそれは大きな勲章となります。
トラウマの中を生きてきただけでもすごいのに、そのうえ回復しているんですからね。
今はまだそこにエネルギーを使えないと思うかもしれませんが、勲章になるという事実はいずれあなた自身を救うことになると思います。
悲しみや寂しさの経験は、人への暖かさや優しさに変わります。
その日が来るまで決して急がず、少しずつでも回復に向けて一緒に取り組んでいきましょう。
以下の記事では自分らしく生きることの素晴らしさをお伝えしているので、回復した先の未来のイメージの参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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